「未経験から事務職に挑戦したい」「ブランクがあるけれど、もう一度オフィスで働きたい」。そう考えて求人票を見ると、ほとんどの募集に「PC基本操作ができる方」「Word・Excelが使える方」と書かれています。
でも、「使える」とは具体的にどこまでなのでしょうか? 文字が打てればいいのか、関数まで必要なのか……。この記事では、事務職に応募する前に身につけておきたいWord・Excelのスキルを「最低限ライン」と「あると強いライン」に分けて整理し、スキルを客観的に証明できるパソコン系の資格もあわせてご紹介します。
求人票の「PC基本操作」はどのくらいのレベル?
求人票の書き方は会社によってさまざまですが、おおよそ次のように読み取れます。
| 求人票の書き方 | 求められていることの目安 |
|---|---|
| PC基本操作ができる方 | 文字入力、メールの送受信、ファイルの保存・フォルダ整理、インターネット検索がひととおりできる |
| Word・Excelの基本操作ができる方 | Wordで簡単な文書を作れる。Excelで表を作り、合計(SUM)などの簡単な計算ができる |
| Excel中級程度/関数が使える方 | IF・VLOOKUP(XLOOKUP)などの関数、並べ替え・フィルター、ピボットテーブルでの集計ができる |
未経験OKの一般事務であれば、まずは上の2段目「Word・Excelの基本操作」ができれば応募のスタートラインに立てます。3段目まであると、選考でも職場でもぐっと有利になります。
Wordで身につけておきたいこと
最低限ライン
- 文字の入力・変換、コピー&貼り付け、元に戻す
- 文字の大きさ・太字・色などの書式設定
- 中央揃え・右揃えなどの配置
- 表の挿入と、行・列の追加
- ページ設定(用紙サイズ・余白)と印刷
- ファイルの保存と、PDFでの保存
あると強いライン
- インデントやタブを使った、崩れないレイアウト
- ヘッダー・フッター、ページ番号の挿入
- 社内文書・送付状など、ビジネス文書の基本の形
- 変更履歴・コメント機能(複数人で文書を確認するときに使います)
とくに「スペースキーで位置をそろえる」クセがあると、職場で文書を受け取った人が修正しにくく困ってしまいます。正しい整え方は次の記事でやさしく解説しています。
Excelで身につけておきたいこと
事務職で実際によく使うのはWordよりExcelです。売上・経費・在庫・名簿など、数字や一覧を扱う仕事の多くがExcelで行われています。
最低限ライン
- セルへの入力、オートフィル(連番や日付を一気に入力する機能)
- 罫線・セルの色・列幅の調整など、見やすい表の作成
- 四則演算(+-×÷)の数式と、SUM(合計)・AVERAGE(平均)関数
- 並べ替えとフィルター
- 印刷範囲の設定と、1ページに収める印刷
あると強いライン
- IF関数(条件によって表示を変える)、COUNTIF・SUMIF関数(条件に合うものを数える・合計する)
- VLOOKUP関数・XLOOKUP関数(別の表から情報を探して持ってくる)
- ピボットテーブルでの集計
- グラフの作成
- 「#VALUE!」「#N/A」などのエラーが出たときに、原因を自分で見つけて直せること
エラーが出ても慌てずに対処できる人は、職場でとても頼りにされます。代表的なエラーの原因と直し方はこちらをどうぞ。
- エクセルの「#VALUE!」って何のエラー?原因と直し方をやさしく解説
- エクセルの「#N/A」って何のエラー?原因と直し方をやさしく解説
- エクセルの「#NAME?」って何のエラー?原因と直し方をやさしく解説
Word・Excel以外に見られやすいスキル
- タイピング:キーボードを見ずに、ある程度の速さで正確に打てること
- ビジネスメール:宛先(To・CC・BCC)の使い分け、添付ファイルの送り方
- ファイル・フォルダの管理:わかりやすい名前をつけて、決まった場所に保存できること
- Web会議:TeamsやZoomへの参加、マイク・カメラのオン・オフ、画面共有
事務職に役立つパソコン系の資格一覧
未経験の場合、職歴だけではパソコンスキルを伝えにくいもの。そんなとき、資格があると「このくらいはできます」と客観的に示せます。事務職を目指す方に代表的な資格を4つご紹介します。
| 資格名 | 主催 | 内容 | 受験料(税込) |
|---|---|---|---|
| MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト) | オデッセイ コミュニケーションズ | Word・Excel・PowerPointなどの操作スキル(実技) | 一般レベル 12,980円 上級レベル 12,980円 |
| 日商PC検定 | 日本商工会議所 | 文書作成(Word)・データ活用(Excel)・プレゼン資料作成(PowerPoint)の知識と実技 | 3級 5,500円 |
| Excel表計算処理技能認定試験/Word文書処理技能認定試験 | サーティファイ | 白紙から表や文書を作る実技中心の試験 | 3級 5,700円 2級 6,700円 1級 7,700円 |
| ITパスポート試験 | IPA(情報処理推進機構) | ITの基礎知識、セキュリティ、会社のしくみなど(国家試験) | 7,500円 |
※受験料は2026年9月時点で各公式サイトに掲載されている金額です。学割や改定がある場合もあるため、申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
マイクロソフト社が認定する、Officeソフトの操作スキルを証明する資格です。知名度が高く、履歴書に書いたときに採用担当者に伝わりやすいのが大きな強みです。
- 科目:Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Accessなど、アプリごと・バージョン(365、2019)ごとに分かれています
- レベル:WordとExcelには「一般レベル」と「上級レベル(エキスパート)」があります
- 試験方法:本物のWordやExcelを操作して解答する実技試験。毎日実施の「随時試験」と、年に一度の「全国一斉試験」があります
事務職を目指すなら、まずは「Excel 365 一般レベル」がおすすめです。余裕があればWordも取っておくと安心です。
日商PC検定
簿記検定でおなじみの日本商工会議所が主催する検定です。操作だけでなく「ビジネス文書のルール」や「データをどうまとめるか」といった実務の考え方も問われるのが特徴です。
- 分野:文書作成(Word)、データ活用(Excel)、プレゼン資料作成(PowerPoint)の3つ
- 級:Basic・3級・2級・1級
- 3級の内容:知識科目15分+実技科目30分で、両方とも70%以上で合格。一般職向けで「自分の業務に活用できる」レベルとされています
受験料が比較的手ごろなので、「まずは一つ資格を取ってみたい」という方にも向いています。
Excel表計算処理技能認定試験/Word文書処理技能認定試験
株式会社サーティファイが実施する試験で、白紙の状態から表や文書を作り上げる、実践的な内容が特徴です。
- 級:3級・2級・1級
- Excel 3級:実技60分で、得点率70%以上で合格。「簡単なワークシートの作成とデータの入力ができる」レベルです
- Excel 2級:知識15分+実技90分。「ビジネスでの通常の表計算処理ができる」レベルで、事務職のアピールにはこちらが目標になります
ITパスポート試験
IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験です。Word・Excelの操作ではなく、ITの基礎知識、情報セキュリティ、会社のしくみなどを幅広く学べます。パソコンを使ってその場で解答するCBT方式で、全国の会場で随時受験できます。
Office系の資格と組み合わせると、「操作もできて、ITの基本もわかっている人」としてアピールしやすくなります。
資格はどう選ぶ?迷ったときの考え方
- 履歴書でわかりやすく伝えたい → MOS(Excel一般レベル)
- 受験料をおさえて、まず一つ取りたい → 日商PC検定3級
- 実務で白紙から資料を作れる力をつけたい → サーティファイのExcel・Word試験
- ITの基礎も身につけたい → ITパスポート
ただし、資格はあくまで「できることの証明」です。面接では「VLOOKUPで別の表からデータを引っ張ってこられます」「ピボットテーブルで月別の集計ができます」のように、具体的に何ができるかを言葉で説明できることが大切です。また、派遣会社などでは登録時にWord・Excelのスキルチェックを行うところも多いので、資格の勉強を通して実際に手を動かしておくと安心です。
「独学だと不安」という方は出張レッスンで
「求人に応募する前に、Excelだけ集中して練習したい」「MOSの勉強を始めたけれど、つまずいて進まない」。そんなときは、ご自宅のパソコンを使ってマンツーマンで学べる出張レッスンもご活用ください。
鎌倉出張パソコン教室では、鎌倉市・藤沢市・逗子市・横浜市栄区を中心にご自宅へお伺いし、あなたの目標や今のスキルに合わせて、必要なところだけを効率よくお教えします。「今さらこんなことを聞いていいのかな」ということも、遠慮なくご相談ください。
まとめ
- 未経験OKの事務職なら、まずは「Wordで簡単な文書」「Excelで表と合計」ができればスタートライン
- IF・VLOOKUP・ピボットテーブルまでできると、選考でも職場でも有利に
- スキルの証明には、MOS・日商PC検定・サーティファイのExcel/Word試験・ITパスポートなどが役立つ
- 資格と合わせて「具体的に何ができるか」を説明できるように準備しよう
新しいキャリアへの一歩は、誰でも不安なものです。できることを一つずつ増やしていけば、それは必ず自信になります。応援しています!

