「セルの中から名前や金額を探すVLOOKUPを使っていたら、急に『#N/A』が出てきた」――こんな経験はありませんか。前回は「職場で今さら聞けない基本操作」の一環として「#VALUE!」エラーの記事をご紹介しましたが、今回は同じくらいよく見かける「#N/A」エラーです。#N/Aは主に、表の中から値を探し出す「検索」の場面で登場するエラーで、原因のパターンはそれほど多くありません。よくある原因と直し方を、順番にやさしく解説します。
そもそも「#N/A」とはどんなエラー?
#N/Aは、英語の「Not Available(該当するデータなし)」に由来するエラーで、エクセルが「探している値が見つかりません」と伝えてくれているものです。VLOOKUP・HLOOKUP・MATCH・XLOOKUPといった、表の中から値を探し出す「検索」系の関数を使ったときによく表示されます。#VALUE!が「データの種類が合っていない」ときのエラーだったのに対し、#N/Aは「そもそも一致するデータが表の中に見当たらない」ときに出るのが特徴です。
原因① 検索したい文字と、表の中の文字が実は少し違う
もっとも多い原因は、検索したい文字列と表の中にある文字列が、完全には一致していないことです。たとえば「株式会社山崎」と「(株)山崎」のような表記の違い、全角の「1」と半角の「1」の違い、単純な入力ミスなどが典型的です。人の目には同じに見えても、エクセルにとっては「別の文字」として扱われるため、一致する候補が見つからず#N/Aになります。
直し方は、検索したい値と表側の値の表記をできるだけ揃えることです。特に全角・半角の違いや、「(株)」「株式会社」のような法人格の書き方は見落としやすいので要注意です。
原因② セルに「見えないスペース」が入っている
見た目は同じ文字列でも、前後や途中に目に見えないスペースが紛れ込んでいると、エクセルは「一致しない」と判断してしまいます。他のシステムやWebページからコピーしたデータでよく起こるトラブルです。対処法としては、疑わしいセルの前後の空白を取り除くTRIM関数を検索前にかませる方法や、コピー元の書式を気にせず貼り付けられる「値だけ貼り付け」を使う方法があります。
原因③ 検索する値の「型」が表側と違う
商品コードや社員番号などで、片方は数値として、もう一方は文字列として入力されているケースです。たとえば商品コード「007」が、ある表では文字列の”007″、別の表では数値の7として入力されていると、見た目が似ていてもエクセルは別物として扱うため#N/Aになります。見分け方は#VALUE!のときと同じで、セルの文字が右寄せ(数値)か左寄せ(文字列)かを確認します。直し方は表記をどちらかに統一することで、文字列を数値に変えたいときはVALUE関数、数値を文字列に変えたいときはTEXT関数が便利です。
原因④ 検索範囲の指定がずれている
VLOOKUP関数では、検索したい値は必ず「範囲の一番左の列」になければ見つけられません。表をコピーして使い回すうちに列の順番が変わっていたり、範囲の指定に$(絶対参照)をつけ忘れて数式を下にコピーしたときに範囲がずれてしまっていたりすると、本来見つかるはずのデータが範囲の外に出てしまい#N/Aになります。直し方は、検索範囲の左端が検索したい値の列になっているか、数式をコピーしても範囲がずれないように$を付けているか(例:$A$2:$D$100)を確認することです。
エラーを表示させたくないときは
「まだデータが入力されていないだけ」など、#N/Aが出ること自体は仕方のない場合もあります。そんなときはIFERROR関数やIFNA関数を組み合わせると、エラーの代わりに空欄や「該当なし」といった分かりやすい表示に変えられます。
=IFERROR(VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,FALSE),”該当なし”)
のように、元の数式を包むだけなので既存の数式を大きく変える必要はありません。なお、比較的新しいXLOOKUP関数には「見つからなかったときの表示」をあらかじめ指定できる引数が用意されているため、これから新しく表を作る場合はXLOOKUPを検討するのもおすすめです。
- セルの文字が右寄せか左寄せかを確認する(数値・文字列の違いをチェック)
- 検索したい文字列と表側の文字列の表記(全角半角・スペース・法人格など)を揃える
- VLOOKUPは検索範囲の一番左に検索したい値があるかを確認する
まとめ
#N/Aは「見つかりません」という、エクセルからのシンプルなメッセージです。表記のちょっとした違いや、見えないスペース、検索範囲のずれなど、原因のパターンは限られているので、慌てずに一つずつ確認していけば必ず解決できます。前回の「#VALUE!」エラーとあわせて、ぜひ参考にしてみてください。
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