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システム開発はコンセンサスが重要

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もし、あなたの会社がシステム開発会社(ベンダー)にシステムを発注するとしたら、最初のコンセンサスが大変重要です。途中で開発が失敗してもあなたは開発費用を払わなければならない事態になるかもしれません。(後述:旭川医大とNTT東日本の事例)
これは大きな会社でも小さな会社でも起こる事です。

1)発注者側のあなたはベンダーさんと比べればシステムに関して素人同然です。しかしあなた自身はイメージとして「こんなシステム」を持っていて、そのイメージをベンダーさんに伝えます。しかし、ベンダーさんにはこのイメージが伝わらないケースが往々にあります。システム開発というのは、コンピューターの1と0の世界で白黒はっきりしている世界です。イメージをこの1と0の世界に翻訳しなければならないので、いざ、システムが出来上がってみると「イメージ」と違うということになります。

2)仮にほぼイメージに近いものができてもその後に「ここはこうしてほしい」「あそこはこうしてほしい」という追加修正が出てきます。ベンダーさんもある程度経験上、これらの修正追加は予測できるのですが、この追加修正が頻繁に起こると、納期が遅れると同時に費用もかさんでしまいます。
しかし、発注者側のあなたは最初の見積金額しか承知していないので追加発生費用が出ると「見積もりと違うじゃないか」となってトラブルになってしまいます。

よく私が例にあげるのはシステム開発は注文住宅と同じです。と話します。あなたが一世一代の注文住宅を作るとしたら、建築家と設計図を見ながら十分検討するでしょう。ドアノブ一つとっても、実際にモデルルームへ行って実物を手に取ってみて、確認するでしょう。そうやって、細かいところまで建主と建築家が詰めて、建築にかかります。
まさか、「1億円を払うから、この前テレビで紹介していたあんな感じの家を作って」とは言わないでしょう。もし、仮にそんなことで作ったら、家人が台所のスペースが狭いだの、壁の色が違うだの、果てはワンチャンの部屋が欲しかったのにないから私の部屋の横に作ってなどとなったら、基礎から作り直さなければなりません。

システム開発も同じです。発注者側のあなたはシステムにあまり詳しくないから、「良きにはからえ」となってしまいます。注文住宅を頼む場合、あなたもいろいろな情報を集めて勉強しますね。同じようにシステム開発も大変でしょうが、発注者側も勉強しなければならないのです。それが大変な場合は野球で言うところの「スポーツ・エージェント」が必要です。

旭川医大とNTT東日本の事例

2017年8月31日、札幌高等裁判所において、ITシステムの発注者企業を震撼させる判決が出た。
発注者側である旭川医科大学が、システムが完成しなかったにもかかわらず、開発ベンダーであるNTT東日本に対して約14億1500万円もの支払いを命じられたのだ。旭川医大は不服として最高裁に上告したが、2018年に旭川医大の上告が最高裁に不受理と判断されNTT東の勝利が確定した。

詳しくは、DIAMOND ONLINEをお読みください