今、様々な経済関連の記事にDXに関する記事が掲載されています。これからの企業はDX化ができないと競争相手に負けてしまう、という脅迫めいた記事も多いですね。日本は他の国と比較してDX化が立ち遅れていると言われていまが、DX化が立ち遅れるとどうして企業競争に負けてしまうのでしょうか?
その一つの要因に、業務プロセスの単純化によるコストカットが大きな部分を占めています。売上が横ばいでも、コストをカットすれば、利益は増えるのは企業経営者なら自然とわかることです。ただ、そこに立ちはだかるのはIT投資です。IT投資したから必ず、成果が出るかとなると実はよっぽど最初の計画がしっかりしていないと失敗してしまいます。それが薄々分かっているからなかなかIT投資に踏み切れない企業、特に中小企業は多いと思います。
経験のないIT化は、ベンダー(プログラム会社)に頼んでしまいがちですが、ベンダーさんはここぞとばかり大かがりなシステムを提案してきます。そして、「これを導入すれば、DX化できて、こんな事、あんな事が簡単にできますよ」と美辞麗句を述べられます。どうも眉唾物ですね。では、どうすれば良いでしょうか?その為には人材です。
パソコンができる人が必ずしも適任とは言えない
パソコンができる人は、自分のスキルに溺れる人が多いです。実に綺麗なレポート、実に凝ったEXCELの表、あんな事こんな事ができますと。実には、こういう人が多いのは資格制度による弊害です。ここでは割愛しますが、例えばマイクロソフトのMOSという資格を持つためにはWORD、excel、powerpointなどの様々な機能を使いこなせる必要があります。しかし、あくまでもこれはこれらのソフトウェアの機能を知っているだけなのです。
合理的に物事を組み立てられる人材が必要
大事なのはパソコンの技能ではなく、業務プロセスを合理的、論理的に考えることができる人が必要なのです。こういう人は必要な場面で参考書なりネットで調べて、ソフトウェアを使うことができます。DX化で必要なのは、業務プロセスを合理的、論理的に分析することです。ITの活用な次の段階です。先に書いた、IT投資に踏み切れないのではこの分析過程を省いているためです。
まずは、分析できる人材が必要なのです。
企業はこれまでの慣習に拘らないこと
企業経営者の皆さんは、これまでの業務プロセスに満足しているかもしれません。ITを使った業務プロセスによって今までの慣習が崩れるかもしれません。けれども、それを乗り越えないと新しい価値を生むことはできません。仮に優秀な人を雇ったしても、「前例がない」「今までと違う」などと言ってはせっかくの人材も価値を産まなくなります。