「パスワードを全部覚えられない」「同じパスワードを使い回している」「メモした紙をどこに置いたか忘れてしまった」——そんなお悩みはありませんか。インターネットバンキング、ネット通販、SNS、各種会員サイトなど、今では一人あたり数十個ものパスワードを使い分けているといわれています。この記事では、代表的なパスワードの管理方法と、それぞれのメリット・注意点をやさしく解説します。
やってしまいがちなNG管理法
まずは、ついやってしまいがちな管理方法の注意点から見ていきましょう。
- 同じパスワードの使い回し……1つのサイトから情報が漏れると、他のサイトにも次々と不正ログインされてしまう危険があります。
- パソコンやディスプレイに付箋でメモ……画面共有や来客時、写真撮影などで他人の目に触れるリスクがあります。
- 誕生日や電話番号など推測されやすい文字列……名前や生年月日は、他の情報から比較的簡単に推測されてしまいます。
実際にレッスンにうかがったお宅で、こんなケースもありました。あるシニアの生徒さんが、パソコンのパスワードを小さなメモ用紙に書いて、机の前の壁に貼っていらっしゃったのですが、ある日そのメモがいつの間にかなくなってしまい、パスワードが分からなくなって困ってしまったのです。ご本人に伺うと、大掃除のときに他の紙類と一緒に片付けてしまったようで、どこに行ったのか本人も分からないとのことでした。壁に貼ったメモは、家族が掃除の際に気づかず処分してしまったり、貼り直しているうちに風で飛んでしまったりと、思わぬ形でなくなりやすいものです。メモを取ること自体は悪いことではありませんが、「人目につく場所に、単独の紙切れとして貼っておく」という保管方法には注意が必要です。
デジタルで管理する方法
パスワード管理アプリ(パスワードマネージャー)
1Password や Bitwarden、Google・Apple が提供するパスワードマネージャーなどのアプリを使う方法です。強力なパスワードを自動生成・記憶してくれるうえ、スマホとパソコンで情報を同期できるのが便利な点です。ただし、すべての鍵となる「マスターパスワード」を1つだけ覚える必要があり、これを忘れてしまうと、すべてのパスワードにアクセスできなくなってしまいます。
ブラウザの「パスワードを保存」機能
手軽に使える一方で、パソコンを家族と共有している場合や、ブラウザに紐づくアカウント(Googleアカウントなど)が乗っ取られた場合には、保存したパスワードがまとめて見られてしまうリスクがあります。
アナログで管理する方法(紙・カード)
紙のノートやカードに手書きで記録する、昔からの方法です。ネットワークにつながっていないため、ハッキングやデータ漏洩の心配がなく、停電やパソコンの故障の影響も受けません。操作に不安がある方でも取り組みやすい方法といえます。もちろん、紛失・盗難の対策や、家に来た人に見られない保管場所を考えておく必要はあります。
実践例:A6サイズの情報カードで管理
筆者(鎌倉出張パソコン教室)自身も、A6サイズの情報カードにサービスごとのID・パスワードを1枚ずつ手書きし、カードボックスにまとめて管理しています。実際にやってみて感じているメリットは、次のようなところです。
- 1枚に1サービス分だけ書くので、あとから探しやすく、書き直しもしやすい
- パスワードを変更したときも、そのカードだけ差し替えればよい
- パソコンやスマホのそばではなく、自宅の決まった場所(引き出しの奥など)に保管し、人目につかないようにしている
- 万一の紛失に備えて、「銀行」「証券」のような実名は書かず、自分にしかわからない略称にしている
使い方さえ工夫すれば、アナログな方法でも十分に実用的です。特に「アプリの操作に不安がある」「ネットに情報を預けるのが心配」という方には、向いている管理方法だと思います。

どちらを選べばいい?
- ネットの操作に慣れていて、複数の端末で使い回したい方 → パスワード管理アプリ
- 紙に書くことに抵抗がなく、シンプルに管理したい方 → ノートや情報カード
- 「大事な口座だけは紙に控えて、それ以外はアプリ」というハイブリッドな使い方も有効です
パスワードを作るときの基本
- サービスごとに別々のパスワードにする
- 8文字以上、できれば12文字以上にする
- 名前・誕生日・電話番号など、推測されやすい情報を避ける
- 設定できる場合は「2段階認証」もあわせて有効にする
まとめ
パスワード管理に「絶対の正解」はありません。大切なのは、自分にとって続けやすく、かつ第三者に見られにくい方法を選ぶことです。アプリの操作に不安がある方は、まずは紙のノートやカードから始めてみるのも良い選択です。ご自身に合った管理方法が分からないという方は、レッスンの際にお気軽にご相談ください。

